
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第12章 君と私とロバと……
今にもスキップし出しそうな勢いで歩いている私は、携帯画面を眺めてニコニコと微笑んだ。
そこには、プリンセスの隣で満面の笑顔を見せる自分の姿が映し出されている。
「良かったねー、花音」
「うんっ!」
ひぃくんに向けて笑顔で頷くと、再び携帯へと視線を移す私。
さっきはプリンセスに会えて本当に良かった。
……待ち受けにしようかな。
そう思った私は、ニコニコしながら携帯を操作する。
「あっ……」
隣を歩くひぃくんが小さな声を漏らすと、突然その場で足を止めた。
何処かを見つめたまま立ち止まるひぃくん。
不思議に思って見つめていると、私へ視線を移したひぃくんがニッコリと微笑んだ。
「花音、お姫様になれるよー」
「……えっ?! 本当?!」
……お姫様になれるって何?!
どういう事?!
ひぃくんが放った言葉の意味はわからなかったものの、私は期待にキラキラと瞳を輝かせる。
「うん。こっちだよー」
フニャッと笑ったひぃくんは、私の手を取るとそのまま歩き出した。
……?
何処に行くのかな。
ニコニコと微笑むひぃくんの横顔を見つめながら、黙って付いて行く私。
「……ほら、あれだよー」
目の前を指差したひぃくんは、私を見てニッコリと微笑んだ。
ひぃくんの指差す方向を辿ってみると、そこにはキッズコーナーが……。
「……ひぃくん、ここキッズコーナーだよ?」
本当にここでお姫様になれるの?
不思議に思いながらひぃくんを見上げると、そんな私を見てニッコリと微笑むひぃくん。
「うん。花音はお姫様で、俺は白馬に乗った王子様だよ」
「……え?」
ニコニコと微笑みながら、再び目の前を指差すひぃくん。
