
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第14章 煩悩はつまり子煩悩?
「彩奈……? 」
「……もうすぐカウントダウン始まるね」
「えっ? ……あ、うん」
彩奈にそう言われて、敷地内に設置されているモニターに視線を移した私。
いつの間にか、年明けまで後残り五分になっている。
もうすぐ今年も終わりかぁ。
あっという間だったなぁ……。
そんな事を思うと、今年あった出来事が色々と蘇ってくる。
相変わらずひぃくんに振り回された一年だったけど、凄く充実した良い一年だった。
なんといっても、念願だった彼氏ができたし。
その相手がまさかひぃくんだとは……
一年前の私には全く予想もできなかった事だけど。
そんな事を一人考えながら、クスッと小さく声を漏らす。
「ーー花音。もうすぐカウントダウンだよー」
その呼び声に反応して視線を向けると、ニッコリと微笑みながらヒラヒラと手招きをするひぃくんが見える。
「うんっ! 」
元気よく返事をした私は、ひぃくんの側まで行くとひぃくんを見上げてニッコリと微笑んだ。
「ひぃくん、今年も一年ありがとうございました」
「こちらこそー。来年もよろしくね、花音」
フニャッと小首を傾げて微笑むひぃくん。
「うん」
私は笑顔でそう答えると、隣にいるひぃくんの手をキュッと握ったーー。
