
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第15章 君とハッピーバレンタイン
私を見つめてニコニコと微笑むひぃくん。
その手元を見ると、蓋の開いた箱を持っている。
状況を理解した私は、ニッコリと笑うと口を開いた。
「私も大好きっ! 」
彩奈達が上手くいって何だか無性に嬉しかった私は、そう言うとひぃくんに駆け寄ってそのまま飛び付いた。
蓋の開いた箱から見えるのは、【大好き】と書かれた私の手作りチョコレート。
そんな素直な気持ちを伝えたくなるバレンタインは、何だかいつもより私を大胆にさせるみたい。
スリスリとすり寄って甘える私を優しく包み込んだひぃくんは、クスッと笑い声を漏らすと「可愛いー花音」と耳元で囁いた。
何だかそれがくすぐったくて、腕の中でモゾモゾと身体を動かす私。
そんな私を一度キュッと強く抱きしめたひぃくんは、ゆっくりと身体を離すとフニャッと笑った。
「花音の好きはどれくらい? いっぱい? 」
「えっ? う、うんっ。いっぱい好きだよっ」
「本当!? 嬉しいなー! 」
私の答えに満足したのか、とても嬉しそうな顔をしてニコニコと微笑むひぃくん。
「じゃあ、地球が見えなくなるぐらい好きって事?」
うん……ちょっとその例えはよくわからない。
「……うっ、うん。それぐらい好き……かな? 」
よくわからない例えに戸惑いながらも、ヘラッと笑ってそう答えた私。
