
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第16章 何度でも、君に恋をする
そのまま四人揃って私達の家までやってくると、扉に鍵を差し込んで玄関を開けるお兄ちゃん。
ーーーガチャッ
扉を開くお兄ちゃんの横から顔を覗かせた私は、玄関に置かれているいくつかの靴を流し見る。
……あっ! 帰ってきてるっ!
綺麗に並べられたお母さん達の靴を発見した私は、そのままお兄ちゃんの横を通り抜けて急いで中へと入った。
「お母さーんっ! お父さーんっ! 」
そんな声を上げながら、廊下をバタバタと走る。
ーーーバンッ
勢いよくリビングの扉を開けると、私は中に向かって大きな声を上げた。
「お帰りぃーっ!! 」
開け放った扉の先に見えたのは、ソファで寛ぐお母さんとお父さんの姿。
そんな二人を目にした私は、その勢いのまま二人の元へと駆け寄った。
「……っ会いたかったよぉー! 」
「まぁ……相変わらず元気ねぇ。ただいま、花音」
勢いよく突進した私に驚きながらも、優しく受け止めてくれたお母さん。
そんなお母さんは、私の頭を優しく撫でながらクスリと笑い声を漏らした。
お母さん……会いたかったよ。
鼻腔を掠める懐かしい匂いと、以前と変わらぬお母さんの優しい温もり。
その安堵感からか、何だか目頭が熱くなってくる。
お母さんにしがみつく手にギュッと力を込めると、私は溢れそうになる涙をグッと堪えた。
「ーー花音っ! 」
ーーー!?
突然グイッと腕を引っ張られたかと思うと、お母さんと引き離されてしまった私。
代わりに私を包み込んだのは、適度に筋肉のついた引き締まった腕。
