
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第16章 何度でも、君に恋をする
「ーーお? なんだー? 懐かしいもの見てるなぁ」
そんな軽快な声を上げながらダイニングへとやって来たお父さん。
テーブルに広げられたアルバムを覗いて、「懐かしいなー」と言ってニコニコと嬉しそうに笑っている。
その手元を見てみると、写真らしき物を持っている。
「お父さん、もうプリントできたの? 」
「ん……? あぁ、もう終わったよ」
アルバムから視線を上げたお父さんは、私を見てニッコリと微笑むと、手に持っている写真から一枚だけ引き抜いて私に差し出した。
私がその写真を受け取ったのを確認すると、お父さんは残りの写真をアルバムに入れ始める。
「いやぁー、本当に可愛いなー二人共っ」
そう言いながら、デレデレとした顔を見せるお父さん。
そんなお父さんが今整理しているのは、私と彩奈が写っている大量の写真。
あの地獄のような三十分間に、お父さんはこれだけの量を撮影していたのかと、目の前にある写真の多さにドン引きする。
渡された一枚の写真と見比べ、その枚数の違いに思わず痙攣《ひきつ》ってしまった私の顔。
お父さん、今日の主役はお兄ちゃん達だよ……?
何の為にデジカメ持って行ったのよ……。
そんな事を思いながら、自分の手元へと視線を移す。
※銘板《めいばん》前で全員で撮った写真を見つめ、クスリと笑い声を漏らした私。
※校門にある学校名の書かれた看板のこと
