
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第17章 ★君の為にできる事〜side響〜
「だっ、大丈夫よー、ひぃくん。花音にも同じぐらい好きになってもらえばいいのよ。ね? 」
俯いてしまった俺の顔を覗き込み、困ったような顔を見せるおばさん。
「……同じぐらい? 」
「そう、同じぐらい」
ニッコリと優しく微笑むおばさんを見つめながら、どうすればそんな事ができるのかと思案する。
花音は王子様が好きだから……。
きっと、王子様みたいになればいっぱい好きになってくれるかもしれない。
頭が良くて、運動神経だって良い、強くて優しい男になればいいんだ。
外人にはなれないから……髪は染めなきゃ。
……うんっ。
王子様みたいになればいいんだっ!
それで一生、花音を守ってあげればいいんだっ!
そこまで考えると、沈んでいた気持ちがパァーッと明るくなる。
「うんっ! 同じぐらい好きになってもらえるように頑張るっ! ……いっぱい、いっぱい、大好きになってくれたら花音と結婚できるかな?! 」
「そうね、いっぱい大好きになったら結婚できるわね」
俺を見てクスッと笑ったおばさんは、そう答えると優しく俺の頭を撫でた。
そんな光景を冷めた目で見ている翔を他所に、すっかりと機嫌の良くなった俺。
未だスヤスヤと眠る可愛い花音を見つめ、ニッコリと微笑んで優しく髪を撫でる。
……俺は花音の為なら何にだってなるよ。
ずっと君の側で君を守ってあげる。
だから……
早く俺と同じぐらい大好きになってね。
俺の可愛い可愛い、小さなお姫様ーー。
ーー完ーー
