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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第18章 ★君はやっぱり大切な人



お昼休みになり、机の上にある配給された牛乳を見つめて溜息を吐く。

牛乳嫌いなのに……。

私の学校では、昼食はお弁当なのに何故か牛乳だけは配給される。
私にとっては迷惑でしかない。

幸い、残しても何も言われないので問題はないのだけど……。
毎回必ず残すのだから、わざわざ配ってくれなくてもいいのに。

チラリと横を見ると、ニコニコ微笑むひぃくんと目が合う。
何でひぃくんが一年の教室にいるのよ……。

私が入学してからずっとそう。
お昼になると、必ずひぃくんは私の教室へやって来て一緒にお弁当を食べるのだ。

問題ないとはいえ、そんな事するのはひぃくんぐらいだ。
一年の教室に三年生がいるなんてあり得ない。

朝からずっと無視しているというのに、相変わらずニコニコと隣にいるひぃくん。

きっとどこかネジが緩んでいるんだと思う。
顔だけ見ればイケメンなのに……。

私はひぃくんから視線を外すと、机に置かれた牛乳を持って席を立った。

「花音、いつも言ってるけど、ちゃんと牛乳飲まないとダメだよ?」

心配そうな顔をしてそう告げるひぃくん。
そんなひぃくんを無視して、私は教室を歩き出した。牛乳を返却する為に。

牛乳なんて飲まなくたって生きていける。
ひぃくん心配しすぎ。

「花音!」

突然の大きな声に、驚いた私は立ち止まって振り返った。
教室中が、ひぃくんの大きな声に驚いて注目をしている。

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