
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第18章 ★君はやっぱり大切な人
「牛乳飲まないと赤ちゃんが大きくならないよ!?」
ひぃくんの放った言葉に、教室中が静まり返った。
呆然と立ち尽くす私。
私の手から滑り落ちた牛乳が、ポトリと床へ落ちた。
何を言ってるの……?
赤ちゃん……?
誰の?
クラスメイト達が、一斉に私を見る。
「……っ……!」
……そんな目で見ないで。
私……私……
赤ちゃんなんていないよ……。
昨日の妊娠発言といい、たった今放たれた赤ちゃん発言に、皆私が妊娠中だとでも思ったのだろうか?
なんて最悪なの……。
……赤ちゃんて何よ。
「……あっ、赤ちゃんが大きくならないって何?!」
皆の誤解を解こうと、ひぃくんに投げかけた質問。
するんじゃなかったと、後に私は後悔する。
「だって……花音のおっぱい大きくならないよ?!」
一気に顔が真っ赤になる。
何て事を言うんだ……。
おっぱいなんて……おっぱいなんて大きな声で言わないでよ……っ。
周りの男の子達の顔もほんのりと赤く染まり、顔を俯かせながらチラチラと私を見ている。
し……死にたい……。
教室の真ん中で、一人立ち尽くして公開処刑をくらう私。
もう嫌だ……。
ひぃくんのバカっ。
もうひぃくんとなんて絶対に口利かないんだからっ。
私は涙目になった瞳をギュッと閉じると、羞恥に顔を俯かせたーー。
