
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第6章 君はやっぱり凄く変
「終わったぁー!」
宿題が全て終わった私は、解放感から大きく伸びをした。
視界に入ってきた掛け時計は、もう午後三時を差している。
朝十時からやっていたのに……。
どうやら、お昼も忘れて宿題をしていたらしい。
「お疲れ様ー」
突然の声に振り向くと、そこにはひぃくんの姿が。
ソファに座ったまま背もたれに両腕を乗せ、私達のいるダイニングを見ているのだ。
「え?! ひぃくんいつ来たの?」
「……んーお昼くらい?」
小首を傾げてフニャッと微笑むひぃくん。
え……全然気付かなかった。
「二人共もの凄く集中してたから、邪魔しちゃ悪いと思って……ずっと見てた」
「ずっと見てたの?! 全然気付かなかったよ……」
三時間も見ていたなんて……
なんて暇な人なんだろう。
そんな風に思っていると、ダイニングへやって来たひぃくんが口を開いた。
「お土産あるんだー」
ニコリと微笑んだひぃくんは、そう告げるとキッチンへ入って行く。
数秒後、再び戻ってきたひぃくんの手には……
「シュクレっ!」
思わずひぃくんに飛びつく私。
そんな私を、クスクスと笑いながら優しく見つめるひぃくん。
その手には、私の大好きなケーキ屋さん『シュクレ』の箱が握られていた。
「頑張った子にはご褒美あげなきゃねー」
そう言って私の頭を優しく撫でてくれるひぃくん。
