
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第11章 君ととんでもナイト
ーーーバンッ
「さっきから煩《うるさ》いぞ。何時だと思っ……?!!!」
ーーー?!
おっ……お兄ちゃん……?!
突然現れたお兄ちゃんは、私達を見るとそのまま固まってしまった。
それもそのはず……
お兄ちゃんが見たのは、私がキスをしているシーンだったのだから……。
私の顔は赤から青へ変わると、お兄ちゃんを見て冷や汗を垂らした。
「お前ら今……何してた……?」
「キスだよー? 花音からしてくれたんだー」
ーーー?!
ひっ……! や、やめて。
お願いだから黙ってて、ひぃくん……。
ニコニコと微笑むひぃくんに思わず仰け反る。
なんてマイペースなんだ……。
ひぃくん、今の状況わかってる?!
お兄ちゃんにバレちゃったんだよ?!
もう私達に明日はないよ……。
きっと殺される……。
私はこの鬼に殺されちゃうんだ……。
扉の前で立ち尽くしているお兄ちゃんは、私を捉えると目を見開いたまま真っ青になった。
私は額に冷や汗を垂らしながら、真っ青な顔で懸命に笑顔を作る。
笑ったところで何の解決にもならないのに、私は懸命に作った笑顔を引きつらせながら、お兄ちゃんを見つめてハハッと小さく笑い声を漏らしたーー。
