テキストサイズ

風に吹かれて

第21章 かにむかし

あれからウン十年。
なんで今更こんなことを振り返っているのか。

子ガニが可愛いくて、可哀相だったからだよう。
( ;∀;)

ほんで、さるどんのことも赤君がやってたせいか、やっぱり死んでざまーみろ、とは思わないし。

復讐(←)に参加した他キャラのことだって、正義の味方だとか、良くやった!とは思えない。

「さるかに合戦」だぜ?
何を本気で見てるのだ(笑)。

我ながらトホホである。



まあ、だからさ。
そういう体験が及ぼす影響て、子供時代から尚中年に至っても、まだ残ってるものなんだね(^_^;)

あの頃の同級生も、今はもう立派な中年だろう。
彼らの心には、どんな形で残っているのか、いないのか。
我が子を導く時に、どんな言葉で諭すのか。

知らんけど(爆)。



世界中から拒否された汚くて臭い自分。
惨めで生きてることが恥ずかしくて。

そんな世界いらない。
もう捨てる。
世界の全てが滅んだらいい。

そう思っていた。

そこから生き残るのは正直、難しい。

自分も世界の一部で。
未熟で幼稚で愚かな他人と、未熟で幼稚で愚かな自分の、命の重さは同じ。
死んだ方がいい奴なんか居ない。

責めるだけなら誰でも出来る。
やったことは必ず本人に返る。
だから、もういい。

そう静かに思えるまで、結構かかった。



今、アメリカで起き世界に広がる黒人差別に対するデモを見て。
また、匿名さんによる誹謗中傷で亡くなった彼女を想う時。

ほんで子ガニちゃんの復讐劇とか、見ちゃうとさ〜。

皆、自分は正しいと思ってるんだなと切ない。

正しくありたい、とか。
正しくないといけない、とか。
誰に何をアピールしてるんだろう。

私の馬鹿な頭では、わからない。
だから、自分の経験から似たようなのを探してきて考える。
ちょっと妄想もしてみる。

もしもあの時の同級生が、大人になっても自分たちがしたことを忘れずに居て、どれだけ酷いことをしたのか理解したとしたなら。
素直に、良かった、と思う。

自分では昇華出来ない感情を、他人にぶつけて肩代わりさせる大人になってなくて、良かったなぁ、と思うだろう。

人は変わることが出来る。
絶対に許さない、と思っていた私の気持ちが変わったように。
憎しみから抜けられる。

それを実感出来たから、生き抜いた甲斐もあった、ってことかな〜(笑)。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ