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快楽の籠

第3章 這い回るもの

手と足の拘束具がはずされる。
出し尽くした感覚に、腰が抜け、その場にへたりこんでしまった。

「立てないですか、ふふ」
ミナはしゃがんで覗きこむ。
僕が顔をあげると、唇を重ねてくる。
かき回すようなものではなく、優しく重ね合わせるキス。

「今は、休んでいいですよ。そうしたら、またたくさん感じないといけませんね。
感じるの、好きですよね。
ふふ、いいですよ。
もっともっと、気持ちよくなって、感じてください。
また後でね」

意識が溶けていくと、ミナの姿が歪んでいき。
僕は頭を下に垂れる。

また、眠ってしまったのか?
ミナはいなくなっていた。
進むごとに現れる知らない女性。

僕は立ち上がり、来た方のドアを開けようとした。
ドアはやはり開かない。
先に進めということなのだろう。

女性たちは何者なのか?
そして自分は奉仕を受けているのか?
何一つ、わからない。

ただ。
僕は部屋の真ん中にあるテーブルのフォトフレームを見た。
その女性は微かに、記憶にあるような気がする。
進めば会えて、何かわかるのか。

先の部屋でも女性がいるのか?
その期待があった。
理性が狂っていると自分でも思ったが、僕は歩みを進めると、奥のドアを開ける。

開いた先に待つのは、快楽か、謎の答えか。

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