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桃尻少年

第2章 始まりは屋上

清人が彩に、脱がせたパンツを渡すと、それを握りしめワイシャツの前を重ねる様にして、次弥の横を通り過ぎて行った。


嗅いだ事は無かったが、これが欲と情事の香りか…と冷静に分析をしてしまう次弥だった。


清人は、ドアの締まる音がして、彩が屋上から去った事がわかると、反り立つ大きく長い男の欲望を剥き出しのまま、ため息をはいた。

次弥は、清人と目が合うと身体をビクッと震わせた。常識的に、彼女の身体を見られて普通にしてられるわけがない。『話して…』では済むはずがないと、内心びびっていた。


人差し指を持ち上げて、クイクイっと合図をするので、そろっと足を出した。


勝手に見てしまったのは、自分にも責任があるが、こんな事業中に、しかも屋上でいかがわしい行為をしているのはいけない事。非があるのは自分だけじゃない。

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