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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第5章 5 作戦会議

「ははっ、ごめんごめん」
「う、嘘ですかあ」
「そんなもの店先に置くわけないだろ。確かに古備前だけど、それは新しいから20万程度だ。いいのは蔵にある」
「に、20万円……」

こんな壺がと唖然としていると、「こっちこっち」と黄雅さんに手招きされたので、青音さんが出てきた暖簾をくぐり応接室らしいところに入った。すでに赤斗さんと緑丸さんはソファーに腰かけていて私に気づくと「お疲れ様」と声を掛けてくる。

「お疲れ様です。白亜さんはもう少ししたら来ると思います」
「うん。そこ掛けて」
「はい」

黒い革のソファーは身体が包み込まれるような柔らかさを持ち、ひんやりとするかと思ったのに温かい気がする。こんな上等なソファーに座るのは初めてだと感動し、また目の前のツヤツヤの木のテーブルを眺めていると、青音さんがカチャカチャとお茶を運んできた。

「緑丸、頼む」
「ん」

大きな塗りの黒いお盆を緑丸さんは受け取り、テーブルに置くと「桃香さん、どうぞ」と湯呑を差し出してくれた。

「あ、す、すみません。ありがとうございます」
「いいよ」

温かい笑顔はなんてほっとさせるんだろう。緑丸さんはメンバーの中で一番落ち着いていてまるで『お父さん』という雰囲気もある。
黄雅さんも赤斗さんもお茶お受け取り、早々に飲み一息ついている。

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