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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第9章 9 スライミー怪人再び 

「この車が大好きなんですねえ」

私は感心して小さな木の車を眺めた。

「うん。これからゲームとか漫画とか他の遊びも増えるだろうけど、やっぱり残したいものはあるんだろうね」

明日、彼の喜ぶ顔が見れると私も嬉しい。

そろそろ閉店時間だと思っていると黄雅さんが「桃ちゃん、これ」と私の手を取り、幅の太いメタリックな指輪を指にはめた。

「え、あ、あの」

いきなり指輪をはめられ、見つめられる。なんだろう。何が起こっているんだろう。指をはめた手を取り、黄雅さんは静かにその手を見つめる。

「よかった。ぴったりだ」
「あ、あの」

黄昏時に王子様から指輪を贈られる。どうして私たちトレーナーにジーンズなんでしょう。

「そろそろ怪人が現れそうだから、もし遭遇しちゃったらぐっと握って」
「え、あ、そろそろ、怪人ですか」
「うん。発信機になってるんだ。すぐに助けに行くよ。小型マイクも内蔵してあるから握った後は音声も聞き取れるよ」
「すごいですね」

なんだ。プレゼントの意味が違っていた。すっかり怪人の事が頭から消えってしまっていた。いけないいけないと思って気を引き締めて帰ることにした。

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