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金曜日のおじさま

第3章 tres

仕事を終えて帰宅する。
途中コンビニでビールと軽食を買った。
マンションのエントランスを通り過ぎて、エレベーターに乗り⑧のボタンを押す。

奥の角部屋が自宅だ。玄関ポーチの格子扉を開けて玄関前に足を進めると人がうずくまって座っていた。

「わっ、驚いた。ビー?どうやって入って来たんだ」

しゃがんでる人影を見てすぐビアルネスだと分かった。
彼女が顔を上げると震えた声で

「おじさま…」

オレを見るなりブワッと泣き出した。

「とりあえず、部屋に入ろう…ビー冷え切ってる」

白いコートの上から腕を掴み持ち上げる様にしながら彼女を立ち上がらせる。ヨロヨロとふらつきながらオレに持たれた掛かる。
彼女を支えながら、玄関の鍵を開けた。

「ほら入って、靴じゃないブーツか脱がせてあげるからそこに座って」

オレは手荷物を下駄箱の上に置いて屈むとビアルネスのブーツを脱がせた。

「すぐ風呂湯入れるから、リビングでまってて」

ビーは座ったまま動こうとしなかった。オレは風呂湯を入れて、リビングの暖房を入れて、ポットで湯を沸かしてから、ビーをリビングに運んだ。まだシクシク泣いている。

ホットレモンを淹れたマグを冷えた手に持たせた。
オレは部屋着に着替えて彼女の隣に座った。

「少しは落ち着いたかい?ホットレモン飲んであったまるよ」

ビーが瞬きをするとボロボロと涙が溢れた。
オレは黙って隣に座っていた。しばらくすると風呂が沸いた曲が流れる。

「風呂入る?」

オレは俯くビーを除き込んで声をかけた。
オレにしがみついてしゃくり上げて泣きだした。
余程の事があったのだろう

マグをテーブルに置いて、彼女を脱衣室まで連れて行く、コートだけ脱がせてオレはリビングに戻ろうとした。

「おじさま…死にたい」

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