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金曜日のおじさま

第6章 seis

さまざまな思いが浮かんでは消えた

オレはどうしたいんだろう…

ビアルネスは相変わらずオレをジッと見つめている。

「オレは…今の関係が少しでも長く続けば良いな」

「ビーも同じだよ」

「もし、赤ちゃんが出来たら…オレのお嫁さんになってくれる?」

「はい、おじさま…」

ビーが急に飛び付いて来たので、バランスを崩して二人してバスタブの中に沈んだ

ザバーっと派手な水音とともに2人はケラケラ笑いだす。その笑い声はバスルームに響いていた。

十分温まったところで風呂から上がり、オレは彼女をバスタオルで拭いてやった。

湯上りで頬がピンク色に染まっている。

「可愛い」

思わず口にしていた。

「パジャマとか持ってきた?エロい服ばっかりじゃ無いだろうね…」

「持ってきたよ。チョット待ってて」

スッポンポンでリビングに走っていく彼女は子どもっぽい

その間に自分の身体を拭いていた。
戻ってきた彼女は「はい」と言って巾着袋を胸に押し付けてきた。

「何コレ?」

「パジャマだよ♪」

「オレの?」

「うん、おそろいだよ」

なかなか用意周到だ。袋を開けると…

「おじさま、めっちゃかわいい」

ビアルネスは身体全身で喜びを表現している
まさか、オレもコスプレさせられるとは思ってもいなかった。

「あ、写真撮ろ」

ビーのキャピキャピが止まらない
オレはもふもふしたネコの服を着させられていた

「恥ずかしい…写真撮ったら脱いでイイ?」

「ダメ!おじさま、笑って〜スマイル」

ビーは可愛く笑ってポーズを取っている
オレもなんとか笑ってみせた

連写してすぐ写真をチェックしていた。

「おじさま、かわいい〜」

ビーは写真に夢中だった
オレはキッチンに立ち、食事の準備に取り掛かった。

「ビーも手伝うナニすればイイ?」

「じゃ、好きなフルーツ洗って、サラダとか適当に出しといて」

買ってきた惣菜を並べながら、ときどき写真撮影もして楽しそうにしてる。
パスタが好きだという彼女のオーダーを聞いて、数種類のソースを用意してテーブルに並べた。

一口食べると空腹感が増してくる。しばし無言で食べまくる

「おじさま、どれも美味しい」

瞳をキラキラさせて美味しそうに食べる姿も愛おしい。オレは改めて彼女に恋している自分に気がついた。

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