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銀河巡礼

第9章  七の月




私は遠い国に生まれ
ワインを満たされて船に乗っていた
けれど
あの夜…


嵐は私を海中に放り出した



それからは 熱い海 凍る海
浮きながら 沈みながら
ただ流れのままにさすらう長い日々



そうして今
手のひらに乗るほどになった体を
浜辺に横たえ
安堵とあきらめに陽を浴びている


とても とても 穏やかに






~シーグラス



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