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銀河巡礼

第2章  二の月




午前零時の鐘が鳴り
足音の絶えた屋敷の片隅
耳を澄ませば
閉ざされた部屋から
ひとり語りが聞こえてくる

生まれた異国の風の匂い
抱きしめられた腕のぬくもり
豪奢なドレス

ひとことごとに甦る華やかな日々
帰ることのない愛された時間…


やがてカーテン越しの朝日の中
人形は眠りにつく
口元に花の笑みを浮かべながら






(了)


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