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銀河巡礼

第2章  二の月




古びた地図を広げれば
内緒の時間が動きはじめる


フィレンツェ
プラハ
ブリュッセル…


ひそやかな空気の揺らぎに
肩ごしに覗きこむあなたの気配


広場に響く鐘の音
石畳に伸びるふたつの影
あの日のように
たどる道筋から景色が浮かぶ



── いつか行く街


あなたの記した細い文字が
いつまでも夢に遊ばせる






(了)


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