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元々は裕福だったのだが父親の会社が巧くいかず
高校の学費を払うのがやっとで生活のため
アルバイトを掛け持ちでしないと行けない有様だった。


教室では女子高生たちが盛り上がっている。
芙紗子も呼ばれた。
「それでね、この駅前のクレープ屋さんのこのクレープ、大人気なんだって」
「あぁ、それ知ってる。人気らしいね」
「もしよかったら、今度芙紗子さん一緒に行かない？」
「ご免アルバイトが忙しくって」
芙紗子は手をあわせる。
「大変よね　芙紗子も」
「うん　今日はコンビ二　その後が食品工場」
「えー体壊さないでね」
毎日こんな感じだ。お嬢様が多い学校なので目立つ。

「芙紗子って可哀想だね」
「ねえアルバイト掛け持ちなんて」
クラスメートはそう言い合った。友達の誘いを断り続け、アルバイトに奔走してるうちに
こうしてるうちに芙紗子は孤立してしまった。
「友達もいなくなっちゃったし私どうすりゃいいんだろう」
芙紗子は嘆いた。


「すみません　せっかくキャプテンに選んでくれたのに」
芙紗子は顧問に詫びた。退部届けを出す。
「部活は強制じゃないけど　生活は大丈夫かね」
「は何とか生活費は母と私で」
「貴女の親御さんは学費は前払いでね　卒業は出来るから安心しなさい」
「はいありがとうございます」

ラクロス部のみんなが集まってた。
「芙紗子辞めちゃうの？」
「うん」
「大事なときにキャプテンなのに」
「ごめんね　みんな」
「行こうよ　芙紗子はもうラクロス部じゃない　仲間じゃないから」
ラクロス部の仲間たちはきびすを返して立ち去っていった。
芙紗子は呆然と見つめた。