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怖い女

第10章 episode10

「ねぇ、達也。お風呂一緒に入らない?」

「いいね、一緒に入ろう」


達也はベッドから立ち上がると
着替えの準備をする。

背中に引っ掻いたような傷痕がある。

目を凝らして、よく見る。

少し赤く腫れていて
それでいて未だカサブタになっていなくて
妙に生々しい。

それほど時間が経っていないということ。

達也…その傷はどこで?

…誰と?


「さて、行きますか」

「ぁッ…ぅん」


聞けなかった。

せっかくの仲直りが無駄になる。

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