数珠つなぎ
第2章 君を離さない
震える手で鍵を開け、部屋に入る。
綺麗にベッドメイキングされていたシーツはしわくちゃになり、その上で力なくニノは横たわっていた。
「ニ…ノ…」
「さと……し」
身体が動かないのか、顔だけ俺に向けると儚く笑った。
俺は慌てて駆け寄ると、ニノの身体を起き上がらせて強く強く力いっぱい抱きしめた。
「ごめん……ごめん」
そして何度も何度も、数えきれないくらい長い時間、ずっと謝った。
でも繰り返せば繰り返すほど、その言葉がちっぽけになっていく。
けど、この言葉以外に何も思い付かない。
暫くすると抱きしめていたニノが身体を動かそうとしたので、背中に回していた腕の力を緩めた。
「智が謝ることじゃない。自分が決めたことだから……」
その瞳に迷いはなく、真っ直ぐに俺を見る。
「でも、俺がニノを……」
「何も聞かないし、言わせない」
すべてを打ち明けようとしたけど、ニノに言葉を遮られた。
「過去のことは振り返っても変わらない。だから未来の事を一緒に考えよ?」
俺を優しく見つめるとニノは笑った。
「ありがとう、ニノ」
嬉しかった。
俺との未来を考えてくれている事。
でも……
「無理なんだ」
俺たちの未来なんて……
「無理なんかじゃない!」
ニノの目からいくつもの涙が零れ落ちて行く。
「俺なら…っ、俺なら大丈夫だから!ね?だから…だから…っ、1人に…1人にしない…で」
さっきまで力強く発せられたニノの言葉が……
決意に満ちたニノの瞳が……
音も立てず目の前で崩れていった。
きっとニノ自身も知ってしまったんだ。
ここから抜け出すことができないんたって。
それでもニノは俺の為に……
『二宮を守れるのは、お前しかいないだろ?
強く……強くならなきゃいけないんだ』
そうだ……俺しかいない。
必死にもがくニノを救えるのは俺だ。
俺は再びニノを強く抱きしめた。
「俺が……俺と一緒に未来へ連れていく。絶対に……」
コンコン…
そんな俺たちを未来へと導くドアが開いた。
綺麗にベッドメイキングされていたシーツはしわくちゃになり、その上で力なくニノは横たわっていた。
「ニ…ノ…」
「さと……し」
身体が動かないのか、顔だけ俺に向けると儚く笑った。
俺は慌てて駆け寄ると、ニノの身体を起き上がらせて強く強く力いっぱい抱きしめた。
「ごめん……ごめん」
そして何度も何度も、数えきれないくらい長い時間、ずっと謝った。
でも繰り返せば繰り返すほど、その言葉がちっぽけになっていく。
けど、この言葉以外に何も思い付かない。
暫くすると抱きしめていたニノが身体を動かそうとしたので、背中に回していた腕の力を緩めた。
「智が謝ることじゃない。自分が決めたことだから……」
その瞳に迷いはなく、真っ直ぐに俺を見る。
「でも、俺がニノを……」
「何も聞かないし、言わせない」
すべてを打ち明けようとしたけど、ニノに言葉を遮られた。
「過去のことは振り返っても変わらない。だから未来の事を一緒に考えよ?」
俺を優しく見つめるとニノは笑った。
「ありがとう、ニノ」
嬉しかった。
俺との未来を考えてくれている事。
でも……
「無理なんだ」
俺たちの未来なんて……
「無理なんかじゃない!」
ニノの目からいくつもの涙が零れ落ちて行く。
「俺なら…っ、俺なら大丈夫だから!ね?だから…だから…っ、1人に…1人にしない…で」
さっきまで力強く発せられたニノの言葉が……
決意に満ちたニノの瞳が……
音も立てず目の前で崩れていった。
きっとニノ自身も知ってしまったんだ。
ここから抜け出すことができないんたって。
それでもニノは俺の為に……
『二宮を守れるのは、お前しかいないだろ?
強く……強くならなきゃいけないんだ』
そうだ……俺しかいない。
必死にもがくニノを救えるのは俺だ。
俺は再びニノを強く抱きしめた。
「俺が……俺と一緒に未来へ連れていく。絶対に……」
コンコン…
そんな俺たちを未来へと導くドアが開いた。