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同居人は教えたがりな奉仕者

第2章 帽子と映画

土曜日。

ため息をこぼしながら身支度をする俺に、拓海はニヤニヤ笑いを浮かべた。

「そんなに映画見たくないのか?」

「だったら行かねーっての」

「ベアシートが問題?並んで見るのは同じだろ?」

その言葉に拓海を睨む。

俺はな、ペアシートに座って映画見るなんて初めての体験なんだぞ!?

なのにそれが…男とだなんて!!

「変なことしないから安心しろよ」

「あったりめーだ!!」

にしても…

着替え終わった自分の服装を見下ろして…

なんかなぁ。

白地に紺のボーダーTシャツに、デニムのスキニーパンツ。

そんなおかしな組合せじゃないはずなのに。

拓海は、白Tシャツに五分丈のターコイズブルーのシャツジャケットを羽織ってる。

ボトムは同じようなデニムなのに…何か、大人の雰囲気が漂ってて…

この差は何なんだ!?

確かに俺は168cmのひょろ体型で、拓海は180cm近くある位背が高いけど!!

何か、すっごく負けた気がする!!

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