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同居人は教えたがりな奉仕者

第1章 同居人

「翼、お前映画って好き?」

夕飯を食いながら聞かれ、俺は眉を上げた。

「モノによる」

「あー…『ボーダーライン』」

拓海が言ったのは、海外の映画のタイトルだ。

ウィルスに侵された環境下でのパニック映画。

「いいね。面白そう」

「なら…一緒に行くか?」

は?

ご飯茶碗の最後の一口を口に放り込んだ。

一緒に?拓海と?

…あ。まさか

「またフラれた?」

「またとか言うな」

箸先をこっちに向けて怒ってくる。

だけど、本気で怒ってる訳じゃないのは分かってる。

「だって…まただろ?今年入って何人目だ?」

ちなみに今は5月。

こいつとルームシェアしてから4ヶ月目。

なのに、この3ヶ月だけでもとっかえひっかえで彼女が変わっていった。

今では彼女の名前とか聞く気すらない。

例え聞いたとしても…覚える前に変わってしまうから。

「彼女と行くつもりでチケット買ったんだろ?」

「まぁ…そうなんだけど」

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