テキストサイズ

同居人は教えたがりな奉仕者

第1章 同居人

味噌汁を啜る拓海の顔を窺い見た。

整った眉に、切れ長の目。

鼻筋もしゅっとしてるし…いわゆるイケメンってやつだ。

「なら新しい彼女と行けば?どうせまたすぐに出来るだろ?」

決してひがんでる訳じゃない。

事実を言っているだけだ。

なのに、拓海ははぁ…とため息をつくと

「それがな、今週行くつもりで座席指定しちまったの」

「はー…マジか」

そうなると払い戻しがきくか微妙だな…。

「いつ?」

「土曜日の14時の回」

今度の土曜か…

さすがの拓海でも、あと3日で映画に誘うほどの相手は見つけられない、って事なのか?

百戦錬磨気取りの拓海にしてはやけに弱気じゃねーか。

土曜日…特に用はない、けど。

「行くならそこで昼飯食おうぜ」

追い討ちをかけるような拓海の言葉に、つい乗ってしまった。

「当然、おごりだろうな?」

「は?俺、チケット代払ってるんだぞ!?」

「彼女に昼飯おごるつもりだったんだろ?ならいいじゃねーか」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ