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同居人は教えたがりな奉仕者

第3章 普段聞かないこと

迷った挙げ句、出来合いの惣菜を買って、家で食うことに決まった。

その方が安上がりだし、好きなものが食べられるって思ったんだ…けど。

テーブルの上に並べられた料理を見て…何か笑ってしまう。

家に戻りつつ、好きなものを買って帰るもんだから、統一感がないって言うか…

「にしても…とりとめがないなー」

「そうか?居酒屋行ったらこんな感じじゃね?」

拓海の言葉に、なるほどと思う。

定食ならあり得ない取り合わせだけど、アラカルトだと思えば有りか。

「それに、旨ければ何でもいい」

「何でもって、ひでぇな」

「怒んなって。そういう意味じゃなく」

拓海は缶ビールを持ち上げると

「翼と一緒だと旨いもの食えて幸せだって事」

「口、上手いよな」

俺も缶ビールを持ち上げると、拓海のと打ち鳴らした。

グラスと違って、ガコンと鈍い音がする。

「乾杯って感じしねー」

「だな」

そんな事でけたけた笑いながら、宅呑みは深まっていって…

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