テキストサイズ

同居人は教えたがりな奉仕者

第1章 同居人

メインは、アスパラの豚肉巻き。

それに味噌汁と、昨日の残り物の煮物と漬け物。

すごい進歩だよな。

皿を洗いながらくくっと笑ってしまうと、拓海がこっちに来た。

「何だよ。俺がやるって言ったじゃん」

「笑いながら洗ってるから、ついにおかしくなったかと…」

「ついに、ってどういう意味だ!?」

洗い終わって水を止める。

布巾で皿を拭いていくと、拓海が食器棚に戻してくれて…

「あ、サンキュー」

「ん」

こういうのに気がつくってのは拓海のいい部分だよな。

全部並べ終えて振り向いた拓海に笑いながら言う。

「俺に感謝しろよ?」

「は?」

「家事。出来るようになったの、俺のおかげだろ?」

「はいはい、そうですねー」

「調教しがいのある生徒で嬉しいよ」

すると、拓海は俺を見て、ふっ…と笑った。

おいおい、その余裕な笑みは何なんだよ!?

「所で、さ」

「ん?」

「映画の話なんだけど」

そこで、さっきの疑問が解消したんだけど…

同時に、土曜日が憂鬱で仕方なくなってしまった。

「何でペアシートなんだよ!?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ