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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第7章 幸せな夜

「だ、大丈夫です…」



緊張して固まっていると、志桜さんがあたしのお腹に手を当てた。



ビクン…



「やっ!」



とっさに彼から離れる。



志桜さんはクスクス笑った。



「どうしたの?昨日はあんなに気持ちよさそうにしてたのに」



顔から火が出るほど熱くなる。



「ち、ちが…」



「違わないよね?」



志桜さんはあたしに顔を近づける。



「あんなに、ほしがって…よがって、喘いで、悦んでいたよ」



何も反論できない。



だって、そのとおりなんだもの。



「あ…どうして、あたし…」



声が震える。



「そんなに不安にならなくてもいいよ。素直に感じているだけだから」



志桜さんは穏やかに笑う。



だけどあたしは…



彼氏でもない男性と…



思い出すのは、志桜さんと繋がったまま抱き合ったこと。



あの時あたしは、間違いなく彼を受け入れて、快感に溺れていた。



「う…」



涙がぽろりと流れ落ちる。



志桜さんがあたしの頬に指を当ててそれを拭う。



「泣いていいよ」



あたしは歯を食いしばる。



志桜さんがあたしの耳元でささやく。



「泣いても叫んでも、君は僕のもの」




ゾク…






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