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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第11章 あたたかくて…

「悠樹は優依の彼氏の噂を学校で耳にしていたようでね。気になったんだろうね。悠樹に感謝しないとね」



「はい」



悠樹くん、心配してくれたんだ。



嬉しい。



だけど…



「あたしが悪いんです。ちゃんと、はっきりしなかったから。彼に流されてしまって…」



もっと危機感を持たなくちゃいけなかった。



晃くんは優しいから、信じてしまった。



だけど、あんなに怖い人だったなんて…



まだ混乱している。



あたしが、優しかった彼をあんなふうにしてしまったのかな?



「優依、もう何も気にしなくていい。君はおそらく自分を責めるだろうけど、彼は今回が初めてではないんだよ。前にも同じように彼女を束縛して閉じ込めて、あげくに堕胎までさせてる」



ドクン…



「あ…あたし、そういえば…」



急に鼓動が速くなり、呼吸が苦しくなってきた。



涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。



「んっ…う…志桜さ…あたし…」



「ごめん。今言わなくてもよかったね。大丈夫だから」



志桜さんはあたしを抱き寄せて頭を撫でてくれた。



違うの…



「どうしよう…あたし」



言いたくない。



あんなことされたなんて言いたくないけど…



「あ、あたし…もしかしたら妊娠しちゃ…」



志桜さんはあたしをぎゅっと抱きしめた。



「ん…」



「言わなくていいよ。大丈夫、まだ間に合うから。明日病院へ行こう」



あたしは彼の胸の中でひたすら泣いた。





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