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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第12章 不安になる

「キャーッ!」



「大丈夫?」



くらりと眩暈を起こしそうになりながら、あたしは何とか体を起こした。



「だい、じょうぶ…」



だけど、頭が痛くてふらついてしまい、友達に保健室に連れて行ってもらった。



ベッドに横になってしばらく眠っていると、いつの間にか昼休憩になっていた。



そろそろ戻らなきゃ。



ベッドから起き上がると、人影が見えたので先生だと思って声をかけた。



「すみません、もう大丈夫ですから教室へ戻ります」



すると、シャッとカーテンが開いて覗いてきたのは晃くんだった。



「優依ちゃん」



ビクン…



その声に体が震えた。



「声、かけるなって言われた、けど…なんか、危なっかしくて…」



晃くんが気まずそうな顔であたしを見た。



ドクンドクンドクン…



怖くて震えて声も出ない。



油断していた。



いつもは友達と一緒だし、最近はまったく近づいてこなかったから。



「な、何…?」



警戒しながら訊ねると、彼はあたしに近づいてきた。



ドク、ドク、ドク…



こわい…



だけど、ここは学校だし、昼間だし、先生だって戻ってくるだろうし。



しっかりしなきゃ!







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