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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第12章 不安になる

「優依ちゃん、俺とやり直そ?」



晃くんが笑ってそう言うので、あたしは恐怖よりも怒りでいっぱいになった。



パアンッ!



あたしは手を振り上げて、思いっきり彼の頬を引っぱたいた。



「ふざけないで!散々あたしに酷いことをしておきながら、今さらやり直せるわけがないでしょ?」



晃くんは驚いて固まっている。



「あなたに未練どころか、今は嫌悪感しかないよ。これ以上あたしに何かしたら、大神家の人が黙っていない。あなたは学校にもいられなくなるよ!」



こんな脅し文句が言えたのは、志桜さんが意味ありげなことを言ったからだ。



きっと、晃くんは志桜さんに弱いはず…



「何だよ…」



晃くんは舌打ちする。



あたしが睨みつけていると、彼はなぜか笑った。



「何がおかしいの?」



「わかった。やり直しはなくていいや。セフレになろ」



呆気にとられた。



「何言ってるの?意味がわかんないよ」



「付き合わなくていいからさ。ヤらせてよ。俺、優依ちゃんじゃないと発散できないからさ」



なんて身勝手な人。



怒りのあまり声を上げそうになった。



けれど、保健室のドアが開いて、先生が入ってきた。



「浅川さん、具合はどう?」



晃くんはあたしから離れた。




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