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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第13章 襲われて…

志桜さんが仕事で二、三日留守にしていると美鶴さんは帰ってしまった。



あれから、彼女はあたしのことを無視していた。



いなくなるときはほっとしたけど、



帰り際に恐ろしい目で睨まれた。



こわくて…



あたしは凍りついたみたいに動けなくなった。



もう会いたくないな…



「あーやっといなくなった」



悠樹くんはうんざりした顔でそう言った。



あたしも同じ気持ちだ。



それからの日々はとても落ち着いていた。



あたしは普通に学校へ行って、友達と会って、苦手な勉強も頑張って、



普通の生活をしていた。



「ねえ、優依ちゃん。帰りにカフェに寄っていかない?」



「うん、いいよ」



あたしは友達と気軽におしゃべりできるようになった。



中でも美咲ちゃんとはすごく仲良くなって、二人で帰ったりすることも多かった。



今日は美咲ちゃんと図書館で勉強した後、夕方からお気に入りのカフェに二人で言った。



大好きなケーキを食べて、お茶を飲んで、おしゃべりしていたらあっという間に時間が経って。



あたしたちは夜の8時にカフェを出た。



ちょっと遅くなっちゃったけど、連絡をしていればいいよね。



あたしは悠樹くんに「今から帰るから先に食事を済ませてください」と連絡しておいた。



美咲ちゃんも家の人に連絡したみたい。



あたしたちが駅のそばの路地に差し掛かったときだった。



「すいません。ちょっと道を教えてもらいたいんだけど」



男の人に声をかけられた。





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