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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第14章 幸せ

眩しい…



部屋全体が明るくなって、あたしは目が覚めた。



「朝…」



あたたかい。



あたしは布団の中で彼と抱き合っている。



明るい光のせいか、志桜さんの顔がすごくきれい。



手を伸ばして彼の顔を触る。



髪も触る。



鼻や唇を指先で触る。



彼がここに存在していることを確認するように、



あたしはじっくりと彼のすべてを指先で撫でていった。



「ふふっ…」



志桜さんが笑った。



「あ…起きて」



「朝から誘ってるの?」



「え、っと…」



慌てて手を引っ込める。



志桜さんは腕を伸ばしてあたしを強く抱きしめた。



「あ…志桜さん」



「このままじゃ早死にしそうだ」



「え?」



ドクン…



「優依のことをずっと抱いていたいから、このままじゃ僕の体力が持たなくなるな」



「え、そうなの?」



そうだよね。



志桜さん、行為のあとはいつも苦しそうだもの。



「ごめ、なさい…」



不安になって謝ると、彼はクスクス笑った。



「それでもいいよ。僕は優依を抱きつくして死にたい」



「そんなのだめ!志桜さんに負担がかかるなら、あたしもうしなくていい!」



志桜さんが真顔でじっとあたしを見る。



「しなくていいの?」



「う、ん…あたし、我慢する」



志桜さんはまたクスッと笑った。



「まあ、優依だけしてあげればいいだけのこと」



ふえっ!?





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