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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第3章 嫌なのに…

がちゃり…



ドアの開く音にもビクっとした。



近づいてくる…



イヤ…来ないで…



「優依」



ビクッ!



頭の上で志桜さんの声がした。



あたしはぎゅっと布団を握りしめる。



「体調が悪そうだね。今日は学校を休もう」



「嫌…」



学校は休みたくない。



この家にはいたくない!



力を振り絞って体を起こそうとしたら、眩暈がして力が抜けてしまった。



「はぁ…はぁ…はぁ…」



呼吸が荒くなる。



あたしの頬にひやりとした感触があった。



志桜さんの手が触れたのだ。



「熱があるね。今日は休もう」



イ、ヤ…



「少し無理をさせちゃったかな」



志桜さんがクスッと笑う声が、あたしの耳元で聞こえる。



「…出てって」



無駄だとわかっていても僅かな抵抗をする。



すると、志桜さんは私から離れて、部屋を出ていってしまった。







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