テキストサイズ

甘い鎖~縛られて溶かされる~

第3章 嫌なのに…

がちゃ、とドアの閉まる音がすると、外で三坂さんと会話する声が聞こえた。



「具合が悪いのでしょうか?」



「少しね。薬と消化にいいものを用意して」



「かしこまりました」



「僕が看るから、ここは任せて」



ドクン…



それは、イヤ。



シーツを握る手が震えた。



でも、体が熱くてだるくて、今は何も考えたくなかった。



しばらく眠ったあと、目が覚めたら志桜さんがとなりにいて思わず顔を背けた。



「優依、少し食事できる?薬も飲まないとね」



あたしはそれを無視して頭から布団を被った。



「抵抗しないの。ほら」



志桜さんはいきなりあたしの布団をはぎ取った。



ひやりとした空気が体を刺激する。



「や…寒い」



震えるあたしの体を、志桜さんが抱きかかえる。



「うん、熱いな。今日は安静にしておかないとね」



「放、して…」



「少しだけでも食べようか」



志桜さんはサイドテーブルにある小さな鍋のフタを開ける。



少し冷めたお粥が入っていた。



彼はそれをスプーンですくって、あたしの口に向ける。



「食べて」



彼は真顔で言った。



肩をしっかり掴まれていて抵抗できない。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ