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ヌードモデルは揺れる

第5章 裸で最後までいきました


不意に、着衣を指示された。

一瞬、反応が遅れた。

衣装のワンピースは、数歩ぶん離れた床に籠に入れて置いてあった。

和田さんにお尻を向けて歩き、お尻を突き出して畳まれたワンピースを手に取った。

裸体にじかに服を着るのは抵抗なかった。

ワンピースは、貰えることになった。

仕事が無事に終わり、挨拶して別室に退がった。

貰ったワンピースを脱がずに、ショーツを穿いた。

あとは帰るだけだった。
ノーブラで。


その夜も、私は彼の部屋に泊まった。

彼は、着衣モデルも裸にされるということを、昨日まで知らなかった一般人だ。

医学モデルとして、素っ裸で検査機器にかけたり──

下着メーカーがデータを集めるために、パンツまで脱がせてスミズミまで計測したり──

ヌードモデルにはそんな使途があることを、いまだに知らない一般人でもあった。

いま、彼は私を床に横たえて、観察していた。

私は裸ではない。自前の着慣れたワンピース姿だった。普通にショーツも穿いていた。

彼は、画家になったつもりで、着衣のままのモデルを把握するという難しさを確認したいらしい。

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