隣のアイドル
第2章 *Episode1
「あ、美咲さん!」
エレベーターのドアが開く音がして、すぐに蒼井さんが姿を見せた。
「…!!」
「すみません、お待たせして……」
黒い帽子を深く被りマスクをした姿に改めて芸能人だと認識した。
「あ、怖いですよね……笑」
「あっ、いえ……!」
マスクと帽子を外すと、いつもの蒼井さんだと認識できた。
「本当にすみませんでした。
つくね、いい子にしてました?」
「とってもいい子でしたよ!
柚花が離れたくなくて家の中にいるんです。
あの、良かったら……」
家の中に招き入れる素振りを見せると、
一瞬驚いた顔をした裕太。
「あ、ダメですよね…!
こんなところ誰かに見られたら大変ですもんね。すみません、私ったらつい馴れ馴れしく……」
「いえ、
お言葉に甘えてお邪魔します!」
美咲の申し訳なさをかき消すように、
いつもの優しい笑顔を見せた。
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