隣のアイドル
第2章 *Episode1
「あ、そうだ!
つくねにおやつあげてもいい?」
「柚花、もうつくねとバイバイしないと…!」
「最後におやつだけ!!」
「柚花…‥」
「いいよ、あげてきて!」
優しく柚花の背中を押す裕太に、美咲は申し訳なさそうに溜め息をついた。
「本当に…すみません……」
「いえ!こんなに可愛がってもらえて、つくねも嬉しいと思います!」
着飾る様子も、偉そうにする様子もない。
芸能人と話してるはずなのに、
不思議な感覚だった。
「旦那さん、平気でした?」
「えっ?」
突然の質問に声が裏返った。
「いや、急に犬が来たらビックリするんじゃないかなぁと思って……」
「あ、いや、まぁ…、うちは全然…!」
痛いところを突かれ、苦笑いで誤魔化す。
「そういえば、
旦那さんって何されてる方なんですか?」
「え?あ、何って…その、……」
気まずそうに俯いたまま言葉を詰まらせた。
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