隣のアイドル
第3章 *Episode2
あれから数週間が経ったけど、テレビ以外で直接的に蒼井さんの姿を見ることはなくなった。
今日もいつも通り、柚花を保育園に預けて病院の事務で働いていた。
「朝日奈さん、」
「はい、」
「これなんだけど……
打ち込みお願いしてもいい?」
「はい、もちろんです!」
書類を受け取りパソコンに向かうと、
「朝日奈さん」
今度は男性の声で名前を呼ばれた。
「はい…」
顔を少しパソコンに残しながら、ゆっくり振り返る。
「…!!」
「久しぶり」
言葉を返すことも、笑い返すこともできず、ただその場で固まった。
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