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愛って、こんなにいいものなんですね

第1章 愛って、こんなにいいものなんですね

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 おじさまは、とても悲しそうに、しばらく何もおっしゃいませんでした。
 「おじさま?」
 「はい
  ああ
  ごめんなさい」
 「いえ」
 「恵と
  あなたが
  同じ名前なんて…」
 「それで
  驚かれれたん
  あっ
  驚かれたのですね」
 「そんなに
  敬語でなくてもいいですよ」
 「はい
  あっ
  いえ」
 おじさまは、またあの素敵な笑顔で、にこっとされました。
 それから、いろいろと、そしてたくさん話しました。
 「もう
  1時間も
  たってしまいましたね
  ごめんなさい」
 「いえ
  急いではないんです
  さっきは
  その…」
 「私が
  どんな人間か
  わからなかったからですね」
 「はい
  あっ
  いえ」
 「あはは」
 と、大きな声で、お笑いになりました。
 なんと、それから2時間も話しました。
 そして、わたしが、次の日曜日に、おじさまの家に遊びに行くことになりました。
 おじさまは、塾を経営なさっていて、ご自宅はその二階でした。
 「こんにちは」
 「いらっしゃい
  よく来てくれましたね」
 「おじゃまします
  わぁ
  すごい本」
 「読みたい本があったら
  どれでも
  持ってかえっていいですよ」
 「はい
  あとでみてみます」
 おじさまは、わたしが訪ねたことを、ほんとに喜んでくださいました。
 それからは、何度も何度も、おじさまの家に遊びにいきました。
 そして、わたしは、おじさまの、お人柄に惹かれていきました。
 いえ、おじさまを、好きになったのです。

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