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ぼっち─選択はあなたに─

第18章 バトルトーナメント【6回戦】

『え~色々ありましたが、本当のアズサ選手にはご冥福をお祈りしたいと思います。長身だしイケメンだし、バトルトーナメントが終わったらお茶に誘おうと思ったのにっ……ユッキーメ悲しいです!!』

 マイク越しにユッキーメのすすり泣く声が響く。どうやらアズサには隠れファンもいたようで、会場は哀しい空気に包まれた。

『しかしバトルトーナメントはまだ終わっていません! 気を取り直して次の試合を始めたいと思います!』

 ユズリノとメキユ・ヨミギャクはゆっくりとリング場に上がる。

「うおおお、ユズリノさん! 待ってたぜえ~!」
「こっち向いてくれよ、ユズリノ~!」

 観客席に座る男たちがハイテンションでユズリノを出迎える。

「……」

 しかしユズリノは虚ろな目をしたまま、ぼんやりと空を見つめていた。

「あれ? なんか様子おかしくねえ?」

 ユズリノは周りの声など聞いてはいなかった。
 今まで生き抜くために、あえて色気を出してだましだましやってきたが、もうそんなのはどうでもいいと思っていた。

 ただ試合に勝つ、それだけだ。

 その時足元でジャリッと何かを踏んだ気がした。足を避けると、シルバーのリングピアスが落ちているのが見えた。

「……」

 ユズリノはそれを拾い、強く握りしめる。


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