ぼっち─選択はあなたに─
第30章 ヒカルの選択
「クロード……?」
クロードの瞳が近付いてくる。
青色の瞳ではないけれど、でもずっと見てると、やっぱり今目の前にいるのは、あの世界のクロードなんだってわかった。
でもこれ以上はもう、恥ずかしくて見れない……。
私が思わず顔を背けると、クロードはいたずらっぽくクスッと笑った。
「……っ……」
なんだか変な感じ。
クロードがそんな顔もするなんて知らなかった。
あっちの世界ではナツミさんが常にそばにいたから、クロードとはあまり話せなかったんだよね……。
「そういえば……ナツミさんは? クロードはナツミさんのことが……」
「あぁ……ナツミとはそういうのじゃないんだ」
「えっ……」
「ナツミに対しては、危険な目に合わせてしまったという罪悪感の気持ちでしか接していなかった」
「そうなんだ……」
「本当はヒカルに対してもそうだった」
「えっ……」
「でもバトルトーナメントの辺りから、ヒカルを本気で守りたいと思ったんだ」
「!」
「ザッハの屋敷に連れて行かれた時は本当に、自分の無能さを呪ったよ」
「クロード……」
そうだ……クロードはすごく真っ直ぐで不器用で、優しい人だった。そしてどんなことがあっても、全力で守ってくれる人。
だから私はそんなクロードを好きになったんだ。
「久遠が別れ際、教えてくれたんだ。ここにヒカルはいるって」
「えっ……」
「俺は生き返ったこの現実世界で、ヒカルと一緒に生きていきたい」
「──っ!」
「もう、ヒカルを一人にさせたりしない。だからずっと、俺のそばにいてほしい」
──大丈夫、君はひとりじゃないよ──
そう言ってくれた久遠さんの言葉を思い出し、私は涙を流しながらクロードの手を取った。
「うん、私も……あなたと共に生きたい」
私はもう、ひとりぼっちじゃない。
☆・゚:*:゚【END】・゚:*:゚☆
クロードの瞳が近付いてくる。
青色の瞳ではないけれど、でもずっと見てると、やっぱり今目の前にいるのは、あの世界のクロードなんだってわかった。
でもこれ以上はもう、恥ずかしくて見れない……。
私が思わず顔を背けると、クロードはいたずらっぽくクスッと笑った。
「……っ……」
なんだか変な感じ。
クロードがそんな顔もするなんて知らなかった。
あっちの世界ではナツミさんが常にそばにいたから、クロードとはあまり話せなかったんだよね……。
「そういえば……ナツミさんは? クロードはナツミさんのことが……」
「あぁ……ナツミとはそういうのじゃないんだ」
「えっ……」
「ナツミに対しては、危険な目に合わせてしまったという罪悪感の気持ちでしか接していなかった」
「そうなんだ……」
「本当はヒカルに対してもそうだった」
「えっ……」
「でもバトルトーナメントの辺りから、ヒカルを本気で守りたいと思ったんだ」
「!」
「ザッハの屋敷に連れて行かれた時は本当に、自分の無能さを呪ったよ」
「クロード……」
そうだ……クロードはすごく真っ直ぐで不器用で、優しい人だった。そしてどんなことがあっても、全力で守ってくれる人。
だから私はそんなクロードを好きになったんだ。
「久遠が別れ際、教えてくれたんだ。ここにヒカルはいるって」
「えっ……」
「俺は生き返ったこの現実世界で、ヒカルと一緒に生きていきたい」
「──っ!」
「もう、ヒカルを一人にさせたりしない。だからずっと、俺のそばにいてほしい」
──大丈夫、君はひとりじゃないよ──
そう言ってくれた久遠さんの言葉を思い出し、私は涙を流しながらクロードの手を取った。
「うん、私も……あなたと共に生きたい」
私はもう、ひとりぼっちじゃない。
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