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ぼっち─選択はあなたに─

第22章 闘技場

「じゃあ、ユズリノとメキユちゃんはクロードをお願い。アタシはヒカルを助けに、執事として屋敷に潜入するわ」
「……大丈夫なの?」

 ユズリノが不安そうな顔を浮かべる。

「大丈夫よ。こう見えてアタシ、昔は執事をしてたの」
「!」

 レシピェールのまさかのカミングアウトに皆驚く。

「それは意外ね。まあ、屋敷は女だらけだし、見た目が男の方が警戒心が解けていいかもしれないわ。あ、くれぐれも女言葉は使わないようにね」
「わかってるわ。あっ……承知いたしました、ユズリノお嬢様」
「……」

 いきなり低い声で執事になりきるレシピェールを見て、ユズリノは微妙な顔をした。

「ひつじ? レシピェールさん、羊になるんだべか?」

 メキユは目をキラキラさせている。

「んもう、メキユちゃんったらぁ!」

 メキユのボケた可愛さに堪らなくなったレシピェールはすぐにオカマへと戻った。

 若干の不安はあるが、レシピェールが執事として変装して屋敷に潜入し、ユズリノとメキユがクロードを助けに闘技場へ向かうことになった。

「全然関係ない、あんたたちに頼んですまない。俺も見回りしながら様子を見に行くつもりだ。あと最近は知り合いの声を真似して襲ってくるシャドーもいるから、くれぐれも気を付けてくれ」

 バットがそう言うと、皆頷いた。


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