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　目を覚ますと、ヒカルは見知らぬ部屋のベッドに横たわっていた。窓からは暖かい光が差し込み、外からは賑やかな音楽と話し声が聞こえてくる。

(ここは──)

　ヒカルはベッドから起き上がると、自分の服が布の服に変わっていることに気づいた。

(誰かが着替えを？ 制服はどこに──)

　そう思って部屋のドアを開けてキョロキョロ辺りを見回していると、ちょうど真向かいの部屋のドアが開き、黒いローブを身に纏った老人が姿を現した。

「お主……」
「え？」
「魔女に呪いをかけられとるじゃろ」
「！」

　いきなりそんなこと言われ、ヒカルは動揺した。
　確かに魔女からは「自分の行動を決められない呪い」をかけられている。まさか自分を一目見ただけでそんなことを言い当ててくるなんて、この老人は一体何者？──そう思った時、下から階段を駆け上がってくる音がした。

「ヒカル！？ 目を覚ましたのね！」

　階段を上がってきたのはレイナだった。
　レイナは確か自分と一緒にシャドーに襲われそうになって、気絶していたはず。それでクロードたちに運ばれて……。

「ヒカル、大丈夫なの？ どこも痛くない？ あなた、シャドーに襲われてから三日も眠っていたのよ！」
「えっ！」
「もう、心配したんだから！ 本当にっ……」

　レイナの顔を見ると、僅かに両目が潤んでいた。