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ぼっち─選択はあなたに─

第8章 カボチャ祭り

 ヒカルはクロードと共に、美少女コンテストが行われる広場へとやって来た。広場には豪華なステージが設置してあり、その周りには沢山の人々が席を取るために集まっていた。
 ステージの裏では、コンテストに出場する女性たちが順番に受付をしている。

「クロード、ザッハ伯爵はいる?」
「いや、ここにはいないな。審査員として出るはずだから、近くにいるとは思うんだが」

 クロードとヒカルは人混みを掻き分けて、ザッハ伯爵の姿を探し回った。
 するとちょうど一台の馬車が目の前で止まり、貴族の衣装を身に纏った男が一人降りてきた。

「みんな、祭りは楽しんでるかい?」

 男が周りに声をかけると、その瞬間あちこちから「きゃあ~!」と黄色い声がとびかった。

「きゃ~! ザッハ伯爵様よ!」
「ザッハ伯爵様、今日もステキですわ~!」

(えっ! あの人がザッハ伯爵!?)

 ヒカルは驚いた。まさかザッハ伯爵がこんなに若くて美男子だったとは……。メイドを美少女コンテストで決めるくらいだから、てっきり卑しい顔をした中年のオヤジかと思ったのに。

「ヒカル、どうする」

 クロードから話しかけられ、ハッと我に返った。
 ザッハ伯爵に訴えるなら今しかない。しかしこの状況で訴えれば、町の女性たちを敵に回すのは目に見えている。でも──。

「あの! ザッハ伯爵にお願いがあるんですけど!」

 ヒカルは思いきって、ザッハ伯爵の前に立ちはだかった。

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