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ぼっち─選択はあなたに─

第12章 バトルトーナメント【1回戦】

『これは痛いですよ!! なんたって鍋とフライパンを持って回転してますからね!! アズサ選手、ダウンか!? アズサ選手~~!!』

「……ちっ」

 小さく舌打ちすると、アズサはフラフラになりながらもゆっくり起き上がった。

『きゃ~~!! アズサ選手、生きてます!! 起き上がりましたぁぁぁ!!』

 アズサが歩き出そうとすると、シルバーのリングピアスが一つ地面に落ちた。それを拾うと、リングピアスはアズサの掌の上でパキッと割れた。

「……買ったばかりなのに」

 アズサはそう呟くと、静かに弓を構えた。
 未だ回転しながらこっちを窺っているレシピェールを睨み付けると、ヒラヒラと舞うピンクのフリルエプロンめがけて矢を放った。

「きゃああああっ!」

 アズサが放った矢は見事レシピェールのエプロンに刺さり、エプロンの布を巻き付けた。
 その反動でレシピェールは回転しながら地面に尻餅をついてしまう。

「あぁん、やだもぅ! アタシのお気に入りエプロンがぁぁぁぁ」

 悔しがるレシピェールに向かって、アズサは馬鹿にするようにフンと鼻を鳴らす。

 両者は睨み合った。
 そして距離を取りながら相手の出方を待つ。

「おらああああっ!!」

 先に仕掛けたのはレシピェールだった。
 お気に入りのフリルエプロンに穴を開けられ、レシピェールは怒りでただのマッチョ野郎と化した。
 鍋とフライパンを交互に振り回しながら、アズサに攻撃を仕掛けていく。


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