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ルビンの叫び

第8章 種の保存

人間的に劣っているあなたは、いつも叫んでいた。

「人間には多様性が必要だ」

なぜかというと、未知の病が流行った時などに、個体差があった方が生き残りやすくなるから。そこで生き残った個体が人間という種を存続させてくれるだろうから。

そう言っていた。

私はそれを素敵な考えだと思った。だからあなたと結婚をした。

子供が出来て、単なる夫婦から家族になった。

そして家族のあるじとなったあなたは、暴君のように家族の中で君臨した。私が誤れば怒り、私が指摘すれば「多様性」を盾に自己弁護に走った。

子供が自立してからは、とうとう私を嫌いだと言い出した。

私も、あなたのことはとっくに嫌いだったよ。

それでもセックスは嫌じゃなかった。その時には、種の保存のことしか考えていなかったから。

じゃあね、私の嫌いな人。

私はこれからも、好きでもない人と種の保存のことだけを考えてセックスをしていくんだ。

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