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お酒とオールバックに溺れる夜

第14章 第14酒 -劣等感の味-

「貴女が未亜ちゃんね...

風の噂で
純のお店に
面白い子が飲みに来てるって
聞いていたの...

本当にそうみたいね
さっきの話、聞こえちゃったんだけど

すごい純粋で可愛いわ、貴女」

あまりの美しさに見惚れていると

急に話しかけられて
ドギマギしてしまった。

「あっ、ごめんなさいね

もっと話してたかったけど

お客様が呼んでいらっしゃるから
もう行くわね

今度
ゆっくり一緒に飲みましょうよ」

そう言うと
その女性は

胸元から取り出した名刺を渡して

シート席へと
戻ってしまった。

『club garden

ママ 薫 』

「薫さん...」

名刺を見つめていると

純さんと
私の
不純な関係が
フラッシュバックしてきた。

相手がいる以上
このままじゃいけない。

頭では理解しているのに
心が嫌だと叫んでいた。

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