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お酒とオールバックに溺れる夜

第19章 第19酒 -さよならの予感の味-

「えっ...

薫さんが

自殺...?」

私はジンジンと痛む
頬を押さえながら

混乱する頭で
必死に冷静になろうとした。

「正確に言うと、自殺未遂...

今、K総合病院に入院してる

手首切って倒れてる所を
お風呂場で発見されたって!」

私は
冷静になんか
なれなくて

頭が
真っ白になった。

「...無事なのか?」

純さんの声に
現実に引き戻される

「命は助かったけど

左手は使えないかもって...」

純さんの
眉が微かに動く

私は、

先の見えない
暗く
重苦しい

闇に
飲み込まれていく気がした。

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